苦しいながらも何とかやり繰りしてきたそうです。ところが、会社の業績は悪化するばかりで、賞与がゼロになったのです。年2回のボーナスの支払いは全くできなくなるわけです。一度相談した銀行の敷居は今回は精神的に高くなっていました。以来、ボーナス月30万円の支払いの度に、Tさんと奥さんは双方の実家に行って頼んでお金を借り、支払いました。それにも限度や限界があります。Tさんはお兄さんに「もう来るな!」と言われ、奥さんはお父さんに説教をされました。
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やがて、支払いができなくなり、初めて延滞というものをしました。借りた金はどうやっても返すのが当たり前で、延滞をすることは犯罪をするようなことだと思っていたTさんは不安な毎日を過ごします。銀行から「督促状」が送られてきた時は心臓が破裂しそうだったといいます。この時、Tさんはやはり銀行に相談に行く決心をしました。その翌日、Tさんはふたたび銀行の窓口を相談に訪れました。今度は2階の応接室に通されました。しばらくして現れた銀行員は2人でした。年配の一人は親切そうな発言ばかり、若いもう一人は厳しい発言ばかりです。年配の銀行員は「もう一度条件変更をしないと厳しいですね。当行でもできるだけのことはしたいですね」若い方は「担保割れだし、延滞しているので、延滞分をまず埋めて下さい」それはできないというと、銀行の要求は新たな担保要求でした。住宅ローンでTさんの自宅は担保に入っています。その他の資産などありません。ところが銀行の要求はどちらかのご両親の自宅を担保に入れるか連帯保証人になって欲しいということでした。それができない場合は、自宅の競売などの法的措置に入る可能性もあると言われました。怖くなったTさんは両親に相談に行きました。家を失いたくない二人は必死に懇願しました。お母さんやお兄さんは猛烈に反対しましたが、お父さんの鶴の一声で担保に入れてもいいということになったのです。