人間は分かりあえないということを、もっと分かりあったほうがいいのではないか。だからこそ、分かりあえる部分を尊重する。それがコミュニケーションの基本ではないか。そう思うようになりました。家族って何だろう。住まいって何だろう。持ち家プロジェクトを進めているとき、よく考えました。いい家って何だろう。家族が笑って暮らせる場所。これが一番ピッタリきました。家の持つ機能で一番ベーシックなものは何でしょう。日本人は、かつて家が備えていた機能を次々とアウトソーシングしてゆきました。たとえば食事、洗濯、出産など。家で眠ること、これは残ってゆくでしょう。とても無防備な行為です。家に要求される3大原則―安全、清潔、快適が顕著に反映するシーン。家とは、ぐっすり眠れる場所ではないかと思います。育児は夫婦にとって重要なプロジェクト。しかし高齢化社会のいまとなっては、人生の一部でしかありません。子ども部屋を中心に住まいを構想することで、夫婦や家族が歪んでゆくのではないでしょうか。子どもが巣立ってから、夫婦で過ごす時間のほうが長いのです。退職金で家のローンを清算し、夫は粗大ゴミ扱い。よくある悲劇。家の中心は夫婦です。
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